インタビュー003|小早川すみゑさん(株式会社あい・マネジメントクリニック代表取締役)

小早川すみゑさん(株式会社あい・マネジメントクリニック代表取締役)

人に関するプロフェッショナル

私たちの生活を保障する法律、労働基準法・労働安全衛生法・労働者災害補償法・雇用保険法・健康保険法・厚生年金法・国民年金法。

身近な法律でありながら詳しい知識を持った人は少ない。ここで強い味方となるのが社会保険労務士、小早川さんの仕事である。

「数年前までは、社会保険・労働保険の手続きを中心に活動されている社会保険労務士の方が多かったのですが、ここ数年で世の中のニーズは変わり、やはり『人の問題』というものが企業の中でクローズアップされています。最近は会社の中のルールを作る就業規則作成や人事制度・評価制度作成のお手伝いをさせていただくことが多くなっています。」

「さらに変化と言えば、経営者の方と従業員の方とのトラブルが非常に多くなってきているのも事実です。そんなトラブルの際にも、仲介に入り労使関係が円滑になるサポートをさせていただいています。」

経営資源といわれる「ヒト」・「モノ」・「カネ」・「情報」のうち「ヒト」に関する専門家として今、小早川さんは地元沼津・三島を拠点に活躍している。
(小早川さんの仕事の詳細は、株式会社あい・マネジメントクリニックホームページにて紹介されている。)

人と会ってお話をするのが大好き!

国家資格である社会保険労務士。

人と会ってお話をするのが大好き!合格率10%前後、難関と言われる資格試験に1回で合格。2006年8月に独立開業した小早川さんは、「私は、たまたまラッキーだったんです。」と、にこやかに笑う。

「資格は、仕事に生かしたいという気持ちから、独立も、『開業したい!』という強烈な夢があったわけではなく、あるご縁があってのことなので、たまたまなんです。ただ、開業してみていろんな経営者の方とお会いし、お話していく中でこれが自分にとても合っている仕事だな、というのを実感します。」

「人と会ってお話をするのが大好き!」と自身の性格を口にした小早川さんは十数年前のエピソードを語る。

「ある企業で人事労務の仕事をしていた時、女子活用推進プロジェクトという女性の活性化と育成をコンセプトにしたプロジェクトのメンバーだった私は、女性向けのミニコミ誌を作っていました。そのミニコミ誌の企画の一つとして、いろいろな企業にうかがい、インタビューをするというコーナーを担当していたんです。経営者の方にお会いし、いろいろなお話を聞く、それがすごく楽しくて。今になってみるとあの時の『楽しかった』と心に残る体験が今の仕事につながり、活かされているのかもしれないと思います。」

「たまたま」という強運に導かれた社会保険労務士という仕事は、小早川さんにとってまさに天職であり、「楽しかった」思い出に導かれた道であった。

就業規則ハンドブック

現在女性2人で運営している株式会社あい・マネジメントクリニックは、

女性ならではのきめ細やかな視点で、機転の利いたサービスが好評である。中でも、経営者だけでなく従業員にも喜ばれているのが、会社の就業規則を分かりやすく解説した手作りの「就業規則ハンドブック」である。

「分厚く、法律用語で書かれた就業規則を見ても、従業員は馴染めません。作って満足するものではなく、運用してこそのルール。ですから、会社のことを理解して、従業員の方に安心して快適に働いていただくことを目的に会社ごと、完全オリジナルで作っています。」

就業規則ハンドブック拝見させていただいたサンプルの「ハンドブック」には、「社長のメッセージ」・「企業理念」をはじめ、就業規則の解説、また就業規則には書かれていない「制服について」・「病気や怪我をしたときは」など、細かなルールがイラスト入りのQ&A方式で説明された、実に理解しやすいものである。

さらに就業規則作成後は「社内説明会」を開き、従業員にルールを理解してもらった上で、不満や疑問など自由な意見をあげてもらい内容を調整する、という経営者と従業員双方納得のゆく規則作りを提案している。

「インターネットの普及により、労使間の関係が大きく変わったことを痛感しています。情報量の多い従業員とのトラブルを回避する、会社を守るための就業規則ではありますが、従業員の方とのいい関係を築けなければ会社の業績も利益も上がりません。」

「お客様である経営者の方に最終的に喜んでいただけるために、経営者・従業員の方それぞれとお話できる場をできるだけ多く持ち、お互いがよい関係でい続けられるサポートをしたいと思っています。」

「人と話すのが大好き」という小早川さんならではの、人との対話の中で多くをくみ取り、関係のバランスを重視したサービスである。

子育てを頑張る女性が活きる職場に

少子化、高齢化が一段と進み、労働力人口の減少傾向にある現代。

家庭を持ち、育児する女性の労働力が、会社の発展には必要不可欠となる。

「事務所の規模拡大を考えたとき、女性男性に関わらず私たちとは違った考え方を持つ人を迎え入れることで、会社の広がりを期待しています。今は女性二人の事務所なので、『女性社会保険労務士事務所なの?』と、おっしゃる方も多いですが、今後はいろんな方を採用していきたいと思っています。」

「ただ、私の一つの思いとして積極的に子育てをしている方を採用していきたいなと考えています。」

「私自身、出産後職場に復帰し、育児をしながらまた一からキャリアを積み上げていくことに大変さを感じていました。当時はまだ、職場内の育児に対する理解が薄く、1歳過ぎの子供を抱えながら、まわりと同じ正社員として、容赦なく他の方と同じように働かなくてはいけない状況が非常に大変でした。」

自らも2児の母親である自身の経験をもとに、仕事と家庭を無理なく両立し、女性が活躍できる職場環境を用意したいと考えている。

2人の子供たちへのメッセージ

「正直子供たちには、寂しい思いをさせている部分もあると思います。」

開業して3年。どうしても仕事にウエイトを置かざるおえない今の状況の中、2人のお子さんに対し、母親としての想いを語る。

「私は何か基盤があるところから開業したわけではなく、全くゼロの状態からのスタート。一般的に、なかなか収入の得にくい職業と言われているこの社会保険労務士の仕事ですから、開業したからといって必ずしもうまく成功するとは限らないのが現実です。そんな現実に対し、『努力をして、地道に続けていけば必ず成功するんだよ。』ということを私の身をもって、子供たちにメッセージとして伝えていきたいと思っています。」

自分の頑張る姿が、子供たちの頑張りにも通じることを信じ、時間は短くても密度の濃いコミュニケーションをとることで、自身の活力にもなっていると言う。

千差万別のアドバイス

数学のように、1+1=2という答えがないこの仕事。

千差万別のアドバイス「だから、私と同じ立場の社会保険労務士であっても、同じ一つの出来事があったとき、全員が同じアドバイスをするとは限りません。」

「まだ経験が浅い部分もありますが、この仕事には自分の軸を持つことが大切だと感じています。知識がある、法律のことをよく知っているというのは当たり前。その中で、自分のぶれない軸を持ち、経験と自分の考え方を糧にアドバイスをしていきたいと思っています。」

「人」に対する仕事ゆえ、絶対はなく、正解不正解もない。だからこそ、小早川さんという一人の人としてのコンサルタント力が重要となる。

固定観念にとらわれることのない一貫した信念を持ち、柔軟な対応を心がける小早川さん。だからこそ、多くの経営者の方に必要とされ、信頼され続けているに違いない。

プライベートよりも、今はまず会社

今、時代はワークライフバランスなんですけどね。

「人には『大事だよ。』なんておすすめするんですが、なかなか自分では。。。」

会社を早く軌道に乗せることが、今一番の使命だと自分に課している小早川さんのプライベートは、勉強会・セミナーの参加・専門誌、本を読む時間に費やされている。

「私どもの仕事は、製造や販売業とは違い、商品や材料など目に見える仕入れはありません。自分の知識や情報をお客様に提供する仕事なので、そういった意味では定期的に東京や名古屋での勉強会に参加し、月に2回から3回、多いときでは週1回セミナーに参加して、知識と情報の仕入れを心がけています。」

「仕事の中で経営者の方とお話をすると、みなさん前向きな方が多く、創業30年、40年という社長さんとの会話の中では経営・マネジメントのヒントをいただきます。もともと私は経営に興味があるので、創業当初のお話をお聞きできたときなどは、楽しくて仕方ありません。」

「経営者の方とお話しをすると、自分のモチベーションが上がるんです。」
プライベートな時間はなかなかとれない中でも、仕事の中で常に「楽しさ」を感じている小早川さんのこの言葉に、自分に合った好きな仕事に対し真摯に歩むその精神力の強さを感じる。

自分の思う強みと、お客様が私に感じる強み

「法律は知らない人が損をしてしまう」

そう語る小早川さんは、「ホームページ」・「ブログ」・「メールマガジン」をはじめ、定期的にセミナーを開催し、自らが持つ知識と情報を多くの人に発信している。(小早川さんが開催するセミナーの最新情報は、ホームページにて紹介されている。)

自分の思う強みと、お客様が私に感じる強み「よくこういう仕事をしていると、『強みはなんですか?』とアピールポイントを聞かれることがあります。」

「今の私にとっての悩みは、自分の強みやアピールポイントを、論理的に整理できていないことです。強みというのは、自分の思う強みとお客様が私に感じていただける強みの二通りあり、この二つは違うはず。」

「私が自分で『私はここが売りですよ。』と言ってみても、本当のところ相手がどう感じているか、私にとってはそれが大切です。」

今後の目標として、お客様から『お客様の声』といった生の感想を聞き、その言葉を吸収して業務の幅を広げ『強み』としていきたいと思っていると言う。

「自分が何をしていきたいのか。」、「どうなりたいか。」ばかりに視点をおいて自分の目指す「強み」を主張するのではなく、「お客様にとって、自分はどんな人になりたいのか。」、「なぜ自分なのか。」、日々こなしていく案件の中で、自分がお客様から選ばれる「強み」を問い続ける。

社会保険労務士として活躍する人は、全国に約5,200人。地元沼津・三島で小早川さんが多くの経営者に選ばれる魅力は、「こうやるべきだ」と行動を強いることなく、柔軟な思考と、対話の中から相手の求める過程と結果を推しはかる能力の高さにあるのだと思う。

最後に・・・。今、ワクワク・ドキドキしていますか?

私の今のワクワク・ドキドキは2つあります。 まず一つ目は、経営という側面からのワクワク・ドキドキ。これは、自分の会社が今後どのような事業ドメインで、どんな経営をするか、そんな次の事業展開を考え模索することです。

二つ目は、業務の中でのワクワク・ドキドキ。これは、もっといろいろな会社とお付き合いをして多くの経験を積み、それが仕事の上で付加価値になっていけたらいいなと感じています。また、いろいろな経営者の方とお会いし、様々なトラブルと遭遇し、たくさん吸収して発展していきたいと思っています。まだまだ未知数である可能性にワクワク・ドキドキしています。

取材日:2008年7月 (記事:中村)

小早川すみゑさんのプロフィール

上場企業2社で約10年間人事労務業務に従事。その後社会保険労務士事務所で約5年間勤務の後、2006年8月「株式会社あい・マネジメントクリニック」独立開業。

インタビューコメント 〜小早川さんとお会いして〜 eひと編集長 中村

お話しする口調・声のトーンがとても心地よく、いつまでもお話をしていたい・・・。そんな感覚に陥り、30分のインタビュー予定時間から、なんと2時間以上もインタビューさせていただいてしまいました。「自分の強みを整理できていない」とおっしゃっていましたが、小早川さんの魅力はお会いすれば、雰囲気から伝わってきます。残念ながら、これは言葉ではお伝えしきれないのですが、とにかく帰るときにはなんだかとても気持ちよく、楽しい気分になっていました。体調が悪い中、2時間もお話をお伺いさせていただき、本当にありがとうございました。

株式会社あい・マネジメントクリニック 会社情報

所在地

〒411-0906 静岡県駿東郡清水町八幡181-3澤田ビル1F

電話番号 055-981-7890
FAX番号 055-981-7891
事業内容

就業規則作成、人事・賃金評価制度のご相談、退職金制度のご相談・助成金のご相談、官庁調査対応、労働保険代行、給与計算、労務問題のご相談、継続雇用のご相談など

WEBサイト 株式会社あい・マネジメントクリニック 小早川社会保険労務士事務所
(http://www.aiai-mc.com/)
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